Octopus's Garden

半歩先の生き方・働き方を考えるブログです。

穴埋めプロットで物語は簡単に出来上がる。

Diagram of DIY Shoot #1 

8月までに小説を一本書きたいと思って、今年のはじめくらいから少しずつ書いているいるのだけど、物語の組み立て方がなかなか難しいです。

 今はバラバラのシーンを思いついた時に書いているような感じです。物語の骨組み、つまりプロットをある程度きっちり作らなきゃなあとは思うものの、なかなかうまくいきません。

 そこで、6月位からシナリオの書き方とか小説の作法みたいな本を何冊か読んでいるんですが、そのなかで、「ミステリーの書き方」という本で紹介されている乙一さんのプロットの立て方がかなり参考になりました。

 小説を才能で書くのか、理論や技術で書くのか、という問題をよくかんがえる。するといつの間にか、宗教と科学のことについて思いを馳せる。

 才能という言葉は宗教みたいなものだ。

 シナリオ理論は科学であり技術だ。

 乙一さんは間違いなく才能のある作家だと思います。天才と言ってもいいと思います。

 恥ずかしながら、ボク自身の体験を書かせてもらうと、ボクは高校生の時に彼の「夏と花火と私の死体」を読んで、作家になる道を一度諦めました。「夏と花火と私の死体」は彼が17歳の時に書いた作品で、同じく17歳だった頃のボクは「17歳でこんな作品をかける人がいるのなら、ボクは一生追いつけない」と思ったのです。

 乙一さんのような天才と言ってもいいような作家が感性だけで書いているのではなく、しっかりとした理論のもとで執筆を行っているといっているということは驚きでした。

 

理論や技術によってオリジナリティがなくなるのではないか、という危惧は自分も抱いたことがある。しかしそれは杞憂だった。学んでみると、シナリオ理論は道具でしかないということがわかったのだ

PC killed the typewriter...

全員が同じワープロソフトを使用したところで、完成する小説が似てくるなんてことはありえない。

 乙一さんは、シナリオ理論は道具でしか無い。という事を強調されています。つまり、シナリオ理論は道具に過ぎないのだから、そっくり同じモノを使ったってオリジナリティは失われないということを強調しています。それならば、そっくりこの技法を使わせてもらっちゃいます。

小説は文字が連なってできている一本の線だ。一本の線には両端がある。つまりはじまりと終わりのことだ。その二つをここでは発端と結果と呼ぶ。すべての物語は発端と結果を結ぶ線なのだ。ミステリを書くならば、発端と結果はすなわち、事件の発生と解決のことである。

 しかしその二つを結ぶ線が平坦で何の盛り上がりもなければ読者は飽きる。一本の線をどこかで折り曲げてジェットコースターのレールのように波打たせなければならない。そうして読者の心を揺さぶる必要がある。その折り曲げるポイントを把握するため、私はいつもプロットを書く。

yellow lines

 はじめと終わりを結ぶ一本の線、それが平坦では面白みが無いので、その線をところどころ折り曲げて波を作る。というのが大まかな流れになります。

 具体的な作業として、①物語をABCDの4つのパートに分けます。つぎに、②abcという各パートの境界を設定します。

 それをまとめると、次のようになります。

一章

A「登場人物、舞台、世界観の説明」

a「問題の発生」

二章

B「発生した問題への対処」

b「問題が広がりを見せ、深刻化する。それによって主人公が窮地に陥る」

三章

C「広がった問題に翻弄される登場人物。登場人物の葛藤、苦しみ」

c「問題解決に向かって最後の決意をする主人公」

四章

D「問題解決への行動」

 「ミステリーの書き方」のなかでは、乙一さんが自身の作品である「GOTH」という短篇集の中の『暗黒系』という短編を引き合いにだして、さらに詳細に解説しています。

 

 ここでちょっと練習に、監査法人を舞台にした小説のプロットでもつくってみますか。

 

一章

A「登場人物、舞台、世界観の説明」

→舞台は大手監査法人。主査が監査計画の立案をしているところからスタートする。監査の手法やリスクアプローチなど、読者に監査に関する基本的な前提知識を解説する。

→主人公は監査法人につとめる若手会計士(入社2年目位)、

監査法人を取り巻く昨今の環境の解説をする

a「問題の発生」

→主人公が分析的手続きを行った結果、ある科目の異常な変動に気づく。

二章

B「発生した問題への対処」

→早速、経理担当にヒアリングに行く主人公。

→経理担当の説明に納得できず、先輩会計士に相談に行く主人公

b「問題が広がりを見せ、深刻化する。それによって主人公が窮地に陥る」

→粉飾に関わるものではないかという疑念を深める主人公

→しかし、決定的な証拠はなく一見合理的な取引による結果にも思える。

三章

C「広がった問題に翻弄される登場人物。登場人物の葛藤、苦しみ」

→問題なく監査を終わらせたい主査、これ以上時間をかけると予算を超過して自分の評価が低くなる。

→どうしても納得行かない主人公

c「問題解決に向かって最後の決意をする主人公」

→資料を集め、連日徹夜で調査を行う主人公

四章

D「問題解決への行動」

→主人公の姿勢に、ついに主査が折れ、徹底的に監査を行うことを決意する。

粉飾決算が発覚し、不適正意見を表明する。

 どうでしょうか?本当は粉飾が発覚したあとの方がドラマがあるとは思うのですが、監査の一連の流れがわかるようなモノにしようとするとこんな話になるんじゃないでしょうか?あんまり盛り込みすぎると話がだれてしまいますからね。粉飾が発覚してからのドラマを書こうとするならば“a”のあたりで粉飾を発覚させるのがベストかなと(そうするとまんまドラマ「監査法人」になりそうですが)。

 これ自体は10分程度で作ったのですが、これをもとに書けば、少なくとも業界受けはしそうな話は書けそうな気がしますw

ミステリーの書き方/日本推理作家協会

¥1,890

Amazon.co.jp

ベストセラー小説の書き方 (朝日文庫)/ディーン・R. クーンツ

¥756

Amazon.co.jp

監査法人/矢島正雄(脚本)

¥1,575

Amazon.co.jp