Octopus's Garden

半歩先の生き方・働き方を考えるブログです。

ジェットエンジンと発電所

metal collar

最近、原子力発電所の代替として天然ガス発電所が注目を集めていますね。

東京都副知事猪瀬直樹氏は日経BPにアップした「東京都、100万kWの天然ガス発電所建設めざす」というタイトルの記事で、東京都の天然ガス発電所建設プロジェクトについて説明していました。

猪瀬氏は国の対応について「国はエネルギー安定供給の指針を打ち出さない」と批判した上で、東京都がガス発電所の建設を目指す理由について、

原発代替エネルギー確保に早く着手するというメッセージを、刻々と産業界に示していくことだ。都が100万キロワット級の発電所を造るから、企業は生き残れます、東京にいてくださいというメッセージである。

と述べています。

また、天然ガス発電効率の良さにも触れて、

総合的に見て天然ガスがもっとも代替エネルギーとして優れている。ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)方式なら、従来の火力発電にくらべて発電効率が1.5倍と性能がよい。

といっています。さらに、「石油は政情が不安定な中東に偏っているが、天然ガス北米大陸などにも多く存在している。」とも言っています。エネルギー安全保障の店からも(安定供給ということも含め)石油よりも天然ガスが優れているです。

この記事を見て思い出したのが、最近事務所の同期に借りて読んだ、「メタルカラーの時代」という本です。かなり昔の本でしたが、その中でガス発電所の建設プロジェクトについて書かれた記事がありました。

記事の中では、石川島播磨工業(現IHI)、ガス発電所に必要なガスタービンを、飛行機のジェットエンジンで代替したという話が紹介されていました。

ガスタービンを一から設計し、製造するには多大な時間とコストが係るため、安全性に関して、すでに厳しいテストを行っていて、その安全性がかなりの確度で担保されているジェットエンジンを転用することで設計・テストに関するコストを大幅に削減できるというものでした。

もちろん地上用の柔構造ガスタービンエンジンもあり、改良されつつありますが、やはり航空機用のジェットエンジンがいいんです。総合的に信用性が高いからです。耐久性がありメンテナンスが容易。米航空局などの型式承認などを取るために、厳しい試験やチェックも経ていますから。

これだけお金がかかっていて、しかも高性能でコンパクトなエンジンを他の用途に使わない手はない。無理して使ってるわけじゃないんです。

さらに、この記事の中で紹介されている「分散型発電装置」という概念こそ、今回東京都が目指していることなんですよね。

ガスタービンなどのプラントを都市内に分散して設置すれば、電気エネルギーに変換されるのが20~30%、有効利用できる排熱が40~50%、あわせて70~80%のエネルギー効率が図れるという試算が出ています。

「分散型発電装置」っていう考えは、電力も「地産地消」しましょうっていう発想で、電力も「地産地消」するのが実は一番効率がいいんですよね。

メタルカラーの時代」の出版は1993年です。すでに出版から20年近くたっていますが、今読んでもまったく古臭い感じがなく、とても面白く読めます。

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