Octopus's Garden

半歩先の生き方・働き方を考えるブログです。

資格不要論

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社会人になってからの私の読書の対象は、主に流行りの本やビジネス書が多くて、学生の時に比べると、いわゆる古典と呼ばれるような本を読まなくなって来ました。

「古典」と呼ばれる本は、流行りのビジネス書のように、「ああするにはこうするべき」といった身近な問題を解決する方法は書かれていませんが、長い間人々の間で読まれ続けてきただけあって、読む価値の高い本が沢山あるのだと思います。村上春樹風に言うならば「時の試練を経てきた」書籍達といったところでしょう。

最近、経済学の古典、ミルトン・フリードマンの「資本主義と自由」という本を読みました。タイトル枯らして堅苦しい本かと思っていたのですが、平易な語り口調で書かれているので非常に読みやすく、理解しやすい内容でした。

この本では、規制のない自由主義経済の理想の姿について書かれています。

フリードマンが言う、「規制」には医師、弁護士、会計士などの職業免許制も含まれています。

フリードマンは、その職業の「質」を確保するために独占業務を作り、参入制限するのだという職業免許制度の擁護派の主張に対して、むしろ参入制限を設けることは多様性を損ないサービスの質を下げていると指摘し、この参入制限が社会的に重いコスト負担を強いていることは明らかであるとしています。

私自身は、この「職業免許制」の恩恵を受けている人間ですが、彼の言うことはもっともだなと思いました。

この本が書かれた当時も、そして現在も専門家のサービスの質を担保するものとして「資格」というのが大きな意味を持っていました。しかし実際には市場が求めるサービスの質を担保するものとしての「資格」というものは機能を失いつつあるように思えます。それは市場が求めるサービスが多様化した結果、それらのニーズに答えることのできる能力を「資格」という形で表現することが不可能になったからです。

職業免許制度というのは、20年後30年後、今とは大きく変わっているかもしれません。会計士業界も、昔と比べて競争が激しくなったとはいえ、「職業免許制度」という参入制限にまもられた中での競争に過ぎません。この参入制限がなくなった場合にどうやって生き残っていくか、考えておく必要があるかもしれませんね。

フリードマンは「職業免許制度」の章を以下のような言葉で締めくくっています。

「市場では、どれが一番いいかを決めるのは消費者であり、生産者ではない」

市場のニーズを把握し、それに応えられる力をつけておかなきゃですね。

In an octopus' garden near a cave

資本主義と自由 (日経BPクラシックス)/ミルトン・フリードマン

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