Octopus's Garden

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違法な秘密を告発することは罪になるのか?秘密保護法案と西山事件について考えてみた

 国家秘密を保護するための法案「秘密保護法案」が、10月25日に閣議決定されました。

秘密保護法案:今国会成立目指し、閣議決定- 毎日jp(毎日新聞)

特定秘密保護法案の特徴

 特定秘密保護法案の最大の特徴は、情報を漏らした際の罰則を厳しくすることです。公務員らへの脅迫や不正アクセスといった「特定秘密の保有者の管理を侵害する行為」で情報を得た場合も、最高懲役十年。

 公務員に文書の持ち出しをそそのかすだけでも処罰の対象になるそうです。「国民の知る権利の保障に資する報道または取材の自由」については「十分配慮しなければならない」との文言が盛り込まれている一方で、取材活動でも「法令違反または著しく不当な方法によるもの」は処罰の対象としています。

問題点

 問題なのは、「著しく不当な」とする定義が曖昧で、公安の裁量しだいで報道機関を取り締まることができてしまうということです。法律というのは、抽象的な表現にすればするほど、その法律を運用する側が恣意的に運用することができます。ここで、「著しく不当」がどの程度のものなのか?という記者からの問に対して、森担当相は、

沖縄返還に伴う密約を報じて記者が逮捕された西山事件は同法の処罰対象になるとの認識を示した。

 とのことです。

西山事件 - Wikipedia

 

 

 

 

これに対して、西山事件の当事者である、西山氏は

「沖縄密約は憲法違反の重大な政治犯罪。政府高官が保護されるべきではない違憲、違法な秘密を『秘密』としたことは法治国家を根底から覆すことだ。政府に都合の悪いものを全部隠せる法律を認めてはならない」

と反論しています。

秘密保護法案:森担当相「処罰対象は西山事件に匹敵」- 毎日jp(毎日新聞)

 

 

西山事件の概要

 西山事件とは、高校の「政治経済」の教科書なんかだと、「外務省機密漏洩事件」として紹介されています。当時の佐藤首相が国会答弁で否定し続けた密約の極秘伝聞を、毎日新聞記者が外部事務次官から入手して公表した事件です。

 この時、秘密を漏らした外務省事務次官は機密文書を漏らしたとして、懲役6ヶ月、執行猶予1年の判決を受けています。

企業活動に例えると

 この事件について、国を企業に、首相を社長に、事務次官を従業員にたとえて考えてみましょう。

  • 沖縄密約→社長が、独断で違法行為を行う
  • それを知った、事務次官が極秘文書を新聞記者に渡す→社長の違法行為を知った従業員が告発。
  • 事務次官を告訴し有罪判決→社長は、告発した従業員を探しだして、企業に損害を与えたとして、この従業員を訴えた。

こんな感じです。果たして、この従業員は罪に問われるべきでしょうか?

恣意的な運用が可能

 特定秘密保護法案では、違法な秘密を告発することすら処罰の対象となると法相自ら言っているので、もし今後同様に、国家の違法行為を告発した場合に処罰される可能性があるのです。

 一般企業だったら、コーポレート・ガバナンスが働いてませんよねという話になると思うんですが。

 

 

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