Octopus's Garden

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税理士法改正の一番の問題点

 税理士法改正について書いた先日の記事はそれなりに反響がありまして、書いたかいがありました。

税理士法の改正に反対します - Octopus's Garden

能力担保措置としての税理士試験と会計士試験

 この記事に対して、会計士も税理士試験に受かって、税務の知識が有ることを証明すればいいじゃないという意見もいただきましたが、実務家は試験勉強しているほどの暇はないわけです。

 そもそも、会計士試験に受かっているんだから、さらに試験を課すのは不公平でしょって思うわけです。

税理士業務の定義 

 税理士法改正の問題を考える前に、まずは税理士の独占業務である、税理士業務の定義を見てみましょう。

税理士は、他人の求めに応じ、租税に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする(税理士法2条1項)。

  1. 税務代理(同法2条1項1号)
  2. 税務書類の作成(同法2条1項2号)
  3. 税務相談(同法2条1項3号)

この他、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる(同法2条2項)。

  おそらく、多くの人が税理士業務と聞いて、1の税務代行と、2の税務書類の作成を思い浮かべるかと思いますが、実は税務相談というのも税理士の独占業務とされているのです。

 で、この税務相談の定義は国税庁から通達が出ていて

(税務相談)

2-6 法第2条第1項第3号に規定する「相談に応ずる」とは、同号に規定する事項について、具体的な質問に対して答弁し、指示し又は意見を表明することをいうものとする。

 税務相談というのがかなり幅広に定義されている事がわかります。

会計士が税理士登録しないことによる不都合

 公認会計士でも、税理士登録していないと、この「税務相談」すらできなくないのです。そうすると、例えばM&Aの相談を受けた時に、当然、税務の課題も出て来ますが、税務についての質問に答えたり、アドバイスを加えることすら違法です。

 実際問題、公認会計士が税務 代行や税務書類の作成ができなくても不利益をかぶる人は少ないかと思いますが、「税務相談」は範囲がものすごく広いため、これができなくなると、影響がとても大きいのです。

 会計に関わる仕事をしていれば避けては通れない税金の問題。そして、会計のプロフェッショナルである会計士がそのアドバイスすらできなくなる、というところが今回の税理士法改正騒動の一番の問題点なのです。