Octopus's Garden

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テレビ朝日社員はなぜ1億4千万円も横領できたのか?

 テレビ朝日の元社員が番組制作費1億4千万を横領していたという事件が世間で話題になっています。

「テレビ朝日」社員、約1億4千万を”横領”

 報道によると、制作会社に架空の代金を請求して、キックバックを受けていたようですね。手法としては典型的な横領の手口です。

社員は2003年11月~今年3月までの間、制作会社に架空の代金を請求し、支払われた代金を着服。プライベートの旅行代や衣服代などに使用していました。

  問題は、なぜこの社員が10年間も続けることができ、1億4000万円という額になるまで発覚しなかったかという点です。

 一般的に資産の横領は従業員が行う場合には、比較的少額であることが多いのですが*1、管理職など職階が上の人が行う場合ほど多額になる傾向があります。これは、組織の上に行けばいくほど、権限が大きくなり、隠ぺい工作を行いやすくなるからです。

 おそらく、今回のケースでは横領を行った本人の権限の範囲内で少額ずつの横領を積み重ねていったのだと思われます。このような場合には、部門内の内部統制で発見するのは困難です。

 しかし、防止するのが不可能だったかというとそうではありません。

 報道によると、不正発覚の端緒は国税庁の調査だったとのことです。国税庁の査察官が、明細の中におかしなデータがあることを見つけて指摘したのでしょう。国税庁の査察官が見つけることができたということは、見る人が見れば経費の中におかしなものがあったのは明らかなのでしょう。

 支払を行う部署で、伝票を事務的に処理するのではなく、内容を確かめ、違和感のあるもの*2は伝票を回してきた部署に問い合わせる、あるいは上司に相談するなどしていれば防ぐことは出来たはずです。実際には、そこまで出来る経理の人ってそう多くないのかもしれませんが、そういう、末端の「現場力」の強化こそが内部統制の本質だったりするんじゃないかと思います。

*1:監査では、リスクアプローチという手法をとるので、現実問題として少額の従業員不正まで漏れなく発見するというのは困難だったりします

*2:例えば、明細が全くなくて、金額だけ乗ってる請求書とか。支払先が個人の口座にあるものとか。