Octopus's Garden

半歩先の生き方・働き方を考えるブログです。

雪国まいたけの事例で考える、監査人と監査役の連携

 先日、このブログで取り上げた雪国まいたけ不適切な会計処理が行われていた件ですが、11/5付けで、雪国まいたけの調査報告が開示されていました。


 調査報告書によると、不適切な会計処理は、「近江八幡市の土地取得関連支出」「 一部事業用資産の減損処理の必要性。」「広告宣伝業務委託契約に係る会計処理」ですが、私が注目したのは、以下の一文です。

 

監査役会は、平成 24 年 4 月に社長、取締役及び執行役員宛に監査役の所見として書面による意見具申を行っている。所見の内容は、当社の実情を的確に捉え、コーポレートガバナンス、組織運営問題、資金繰り、会計処理関係、労務安全など多岐にわたる課題について提言している。 

 所見の中で広告宣伝費の繰延処理は不適切である旨の指摘がなされているが、監査役会の所見は反映されることなく今回の不適切な会計処理に至っている。 

  監査役は、決算発表前に、広告宣伝費の繰延処理が不適切である旨の提言を行っていたのです。

 監査法人と監査役との間でコミュニケーションが十分に取れていれば、監査法人のほうでも、決算発表前に不適切な会計処理の一部については、把握することができたはずなのです。

 「監査役若しくは監査役会又は監査委員会と監査人との連携に関する共同研究報告」という、日本公認会計士協会と日本監査役協会が共同で公表している研究報告には、会計監査人と監査役の連携の基本的事項の例示として、「監査役等が把握している不正(不正の疑い又は不正の申立てを含む。)、誤謬若しくは違法行為又はそれらの兆候」という項目が挙げられています。報告書を読む限り、今回のケースでは、この基本的事項すらできていなかったようです。

 財務諸表監査において、監査役と会計監査人の連携は、本当に大事なことです。今回のケースは、有効な監査のためには、監査役と監査法人、双方が協力しあう必要があるということを再認識させるニュースでした。