Octopus's Garden

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猪瀬都知事の借用書を監査証拠として考えてみる

バカには見えない借用書です。 

 徳洲会問題で、猪瀬都知事の印紙も貼っていない、返済期限も書かれていないしょぼい借用書が話題になりましたね。

 この借用書は、「あれはもらったものじゃありませんよ。借りたものですよ」ということを証明するために出してきたものです。こんなもの見せられて、信じろって方が難しいですよね。

猪瀬知事、立件の可能性 ずさんな「借用書」が命取りか (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK
 一方で、「この借用書があとから適当に作ったもの」という証拠はどこにもないわけで、本当にあの借用書で貸し借りをやっていたという可能性もなくはないわけで…検察の捜査でも入らない限り、真相はうやむやになってしまうのでしょうね。

 猪瀬知事の借入金を監査法人で働く会計士が監査した場合、会計士の対応は、以下の3つのパターンのどれかなのかなと思います。

  1. 何も考えずに、借用書と突合できたとして、監査手続を終わらせる。
  2. 確かに借用書の体を成していないけど、「こういう借用書になっている合理的な理由がある」ということを頑張って調書に書く。
  3. 借用書以外の監査証拠の提示を求める。なければ、「借入金は存在しなかった」という証拠を探す。

 1と2は、何事も無く監査を終わらせたいと考えている点で、本質的には変わりません。でも、中にはこういう会計士もいるんじゃないかなと…

 1~3の中では、3が一番まっとうですね。ただし、これがものすごく難しい。経営者に「これは虚偽の表示です」とか「これは不正です」というには、それなりの証拠が必要で、「まっとうな借用書がない」というだけでは不十分なんですね。

 「不正の兆候」を識別したあと、どうやって不正の証拠を見つけるか。これはなかなか難しい問題です。