Octopus's Garden

半歩先の生き方・働き方を考えるブログです。

日本のベンチャーに関する7つの誤解 2014

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photo by david_axe

 旧ブログで書いた「日本のベンチャーに関する7つの誤解」という記事はベンチャーファイナンスに関心を持つ方を中心に多くの方から反響をいただきました。

 この記事を書いてから現在までの約3年間、国がベンチャー支援事業に本格的に乗り出したり、

Jump Start NIPPON -新事業創出のための目利き・支援人材育成等事業-

 大手監査法人ベンチャー支援の事業を本格的に始めたり

トーマツベンチャーサポートの知られざる支援内容、ついにベールを脱ぐ | The Startup

と、日本のベンチャー企業を取り巻く環境をこの3年で大きく変わりましたが、ベンチャー企業に関する社会の認識は変わったでしょうか。

 旧ブログで書いた記事を加筆・修正したうえで再掲させていただきます。

日本のベンチャーに関する7つの誤解|Octopus's Garden 公認会計士たくりんのブログ

 

 

 

誤解1)景気が悪いときには起業を行うべきではない。

 

 国内景気は上向きつつあるものの、国内のベンチャーキャピタルの出資額は2007年には1,933億円、企業数は2,579社あったのに対し、2009年には875億円、991社まで落ち込んで以降、低水準で推移しています。

 このような状況の中、ベンチャーを起業したところで果たして資金調達はうまくいくのか?といった疑問を持つ方は多いかと思います。

2010年3月期には、ついに投資する企業は1000社を切り、投資金額も1000億円を切ってしまいました。2011年3月期は、もっと落ち込んでいるかも知れません。  「世界に冠たるベンチャー企業を作ってやるぞ!」という闘志に燃えている人は、この数字を見て、「えっ、もしかして今って、ベンチャーを起業するには向いてない時期なの?」と思われるかも知れません。

「私の事業には1000億円の資金が必要だ」という人は、確かに現状では、日本の中だけでその額の資金調達をするのは、ちょっと難しいかも知れないですね。  しかし、あなたが欲しい資金が、例えば3000万円といった程度であれば、マクロの調達環境としては全く問題は無いわけです。なにせ、少なくなったとはいえ、資金は年間800億円も供給されているわけですから。

 よっぽど大きな初期投資が必要な事業を行うので無い限り、マクロの環境はあまり関係無いのです。ベンチャーキャピタルが投資を行うかいなかはその事業が「イケてる」か「イケていない」かだけが問題となるのです。

 誤解2)日本の風土・文化ではベンチャーを育てるベンチャーファイナンスは根付かない。

 そもそも、日本と米国を比べた場合に、ベンチャーファインスの歴史が全然違うのです。日本は米国に比べて25年、つまり四半世紀ほど遅れていると言われています。 その根拠となるのが、証券ビックバンの時期です。

 米国の証券ビックバンは1975年頃、日本の証券ビックバンは1990年代後半です。証券ビックバンによって、新規上場のハードルが低下(それまでは、アーリーステージの投資は事実上存在しなかった)しました。米国ではその歴史がすでに35年ほどあるのに対して、日本は自由化後まだ10年程度しか立っていないのです。

 日本のベンチャーファイナンスの歴史は英米のそれと比べてまだまだ浅く、証券自由化後、ベンチャーファイナンスの専門家がほとんどいない様な状態でした。しかしながら、この10年間でベンチャーファイナンスの専門家は確実に育ってきています。日本のベンチャーファイナンスが活発化するのはこれからではないでしょうか。

誤解3)ITはちゃんとした産業じゃない

 こういった考えかたは論外だとは思いますが、わりと高齢のビジネスマンにはこういう考えをもった方がいらっしゃるようです。

 ホリエモンがメディアに露出していたとき、ライブドアのことを「虚業」などと言っていた識者の方もいらっしゃいましたが、現在の「LINE」の躍進ぶりをみても同じことがいえるでしょうか?(ライブドアとLINEの関係は下記のリンク先を参照してください)

判りにくいと評判の『ライブドア』が『LINE』になるまでの超簡略まとめ | マイナビニュース
 

誤解4)ベンチャーとは中小企業のこと

 ベンチャーとは、単に中小企業の事を指すわけではありません。むしろ、ベンチャーという言葉が内包する意味に規模の大小は関係ありません。

 ベンチャーとは「社会が必要としているイノベーションのうち、既存企業がやらない部分を担当する企業」と定義することが出来ます。

 ベンチャー企業は社会主義経済には存在し得ない存在です。社会主義経済ではそのような役割は国家が担当することになります。そういった意味で、ベンチャー企業とは市場主義経済そのものということもできますね。

誤解5)日本では出る杭は打たれるからベンチャーが育たない

 日本ではよく、「出る杭は打たれる」といいます。成功したIT企業のトップがある日突然マスコミからバッシングを受けるのはそういった日本の文化のせいだという話はよく耳にします。

 しかしちょっと待ってください。 ビル・ゲイツスティーブ・ジョブズはバッシングを受けていないでしょうか?出る杭を打たれていないでしょうか? 答えはNOです。

 彼らは一方で大きな賞賛を受けていますが、その成功をやっかむ人たちはたくさんいます。 日本の起業家で、彼らほどバッシングを受けている人はいません。日本には彼らほどの「出る杭」が現れていないというのが現状です。

誤解6)ベンチャーの経営で失敗すると全てを失う

 ベンチャー経営で失敗して会社をたたむことになったからといって全てを失うわけではありません。失敗したとしても、信用を失うような失敗をしない限り、その取り巻くコミュニティ内(同業者や取引先)での「信用」だけは残ります。

 コミュニティ内での「信用」さえ残っていれば、再就職もたやすくできるはずです。むしろ「失敗」するかしないかよりも、「失敗」の仕方が問題なのです。

誤解7)会社を倒産させると返済できない程の借金が残る

 資金調達を基本的に株式で行い、借入の個人保証をしない、株式の買取保証をしない、などファイナンスの知識を正しく駆使すれば、たとえ会社を倒産させてしまったとしても、個人に莫大な額の借金が残るなどの「トンデモないこと」が起こるのを防ぐことが出来ます。

 そのためには、正しいファイナンスの知識を得たり、信頼できる専門家を見つけることが大事です。  

 

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと

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