Octopus's Garden

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不適切会計と粉飾決算

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photo by eyesore9

最近、東芝の問題について、不適切会計という、あまり耳馴染みのない言葉が使われています。

今回は、この「不適切会計」という言葉の意味について考えてみたいと思います。

企業が利益を水増し計上しているような場合には、通常であれば粉飾や、会計不正などの言葉が使われますが、今回はなぜこのような言葉が使われているのか?

しかも、マスコミの各社が示し合わせたかのようにこの単語を使っているのにすごく違和感を感じます。

不適切会計という単語を言葉通りに解釈すると、適切ではない会計、つまり誤った会計であると考えられます。
粉飾や、不正会計といった言葉が意図的なものを想起させるのに対して、不適切な会計という言葉は、意図的か意図的でないかは置いておいて、「財務諸表の数字が実態と違っている、誤っている中」という事実のみを表現しています。
「財務諸表の数字が実態と違っている」ことを、監査の専門用語では「虚偽の表示」と呼びます。
そして、「虚偽の表示」のうち、意図的なものを「不正」とよび、意図的でないものは「誤謬」と呼んでいます。

財務諸表の虚偽の表示は、不正又は誤謬から生ずる。不正と誤謬は、財務諸表の虚偽の表示の原因となる行為が、意図的であるか意図的でないかで区別する。誤謬とは、財務諸表の意図的でない虚偽の表示であって、金額又は開示の脱漏を含む。不正とは、財務諸表の意図的な虚偽の表示であって、不当又は違法な利益を得るために他者を欺く行為を含み、経営者、取締役等、監査役等、従業員又は第三者による意図的な行為をいう。

ハロー! 監査事典:不正・誤謬(ごびゅう) | 日本公認会計士協会

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つまり、今のところ「不正」または「誤謬」のどちらとも言えない状況のため、不正や粉飾という言葉ではなく「虚偽の表示」に相当する「不適切会計」という言葉を使っているということでしょう。

しかし、報道では、

また、不適切な会計処理の発生原因の1つとして、社内の予算達成目標が高く、新規性が高い案件にかかわる会計上の見積もり判断については、財務報告の内部統制が完全に機能していなかったことが挙げられているという。

東芝の不適切会計問題、高い予算達成目標が原因

というように、不適切会計が意図的なものであることを示唆していますし、金額の規模と虚偽表示の種類(費用の非計上や、工事進行基準による原価の利益の過大計上など)を考えると、意図しない誤りとは考えずらいです。

それでも、第三者委員会の結論が出るまでは、東芝の財務諸表の「虚偽表示」が意図的なものか意図的でないものかは、はっきりとしたことは言えません。
そのため、報道各社で、「第三者委員会の結論が出るまでは、不正・粉飾という言葉を使うのはやめましょうね。」という取り決めをしているということではないかと思います。

まあ、個人的には、もうほぼ黒なので 、不正会計、または粉飾でいいと思いますけどね。