Octopus's Garden

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東芝とカネボウ、新日本と中央青山

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photo by digitpedia

今月号のZAITENは、「東芝粉飾 新日本監査法人の責任」と題して、東芝の監査を担当していた、新日本監査法人の責任について特集を組んでいるようです。

ZAITEN 2015年8月 [雑誌] 雑誌 ? 2015/7/1

ZAITEN 2015年8月 [雑誌] 雑誌 ? 2015/7/1

 

 

 カネボウ中央青山監査法人 

記事はまだ読んでいませんが、この表紙のタイトルを見て、カネボウ事件の後の中央青山監査法人の解散を連想しました。

中央青山監査法人は、当時、大手監査法人の一つで、4大監査法人の中でも監査クライアント数でトーマツトップを争っていました

カネボウ事件では、2,000億円を超える粉飾が発覚した後、監査を担当していた中央青山監査法人の会計士4名が逮捕され、中央青山監査法人は解散に追い込まれました。

東芝カネボウ

東芝では、すでに、粉飾の金額は1,500億円に上ることが、一部の報道で明らかになっていて、今朝の日経の報道によると、1,700億円から2,000億円に増える可能性もあると言われカネボウに匹敵する規模の粉飾となる可能性が出てきました。
東芝は過去に遡って実施する利益の減額修正額は累計1700億~2000億円に達すると金融庁や銀行に説明した。
 また、「不適切会計」が意図的なものであるという疑いも強くなってきたようです。
不適切会計が問題となっている東芝が、インフラ関連案件で生じた損失の計上を意図的に先送りしていたことが分かった。会計監査を通すため、実現不可能なコスト削減計画を示して実態よりも損益が良く見えるよう偽って説明。上司が部下に損失計上先送りを促したと受け止められかねない内容のメールも見つかった。
仮に、東芝に対する新日本監査法人の監査に問題があったと認められれば、新日本監査法人にも何かしらの処分が行われる可能性もあります。

行政処分

カネボウの粉飾の際には、中央青山監査法人に対して2ヶ月間の業務停止処分という前代未聞の処分が行われました。
業務停止期間中は、一切の業務が行えなくなるので、この期間中の中央青山の監査クライアントは別の監査法人が監査を行うという異例の自体となり、これを契機にクライアントが離れ、多数の職員が他の監査法人に移り、自主的に解散せざるを得ない状況に陥りました。

事件前後の不祥事

カネボウ事件の時は、前後に日興コーディアル証券三洋電機の粉飾があり、両者の監査を担当していた中央青山監査法人に対する金融庁から印象が非常に悪くなっていたことも、厳しい処分が行われた一因と言われています。
今回の場合でも、オリンパスの粉飾からそれほど経っていませんから*1、監査に問題があれば、新日本に対して、厳しめの処分が行われる可能性は十分にあります。

会計士の積極的な関わりがあるか

しかし、中央青山にこのような厳しい処分が下された根本的な原因は、監査を担当していた会計士が、粉飾の事実を知りつつ適性意見をだしていたとして、逮捕・起訴されたためです。
カネボウの平成 11 年 3 月期、平成 12 年 3 月期、平成 13 年 3 月期、平成14 年 3 月期及び平成 15 年 3 月期の各有価証券報告書の財務書類にそれぞれ虚偽の記載があったにもかかわらず、同監査法人関与社員は故意に虚偽のないものとして証明した。
カネボウの粉飾に関する「監査法人及び公認会計士の懲戒処分について」の処分理由より
これだけの額の粉飾を見逃してしまったのですから、監査に問題がなかったという結論にはならないとは思いますしかし監査業務に問題が合ったとしても、粉飾の事実を知っていたというようなことがなければ、業務停止のような厳しい処分は行われないかと思います。
ペナルティとしては、最小で戒告、最大で課徴金といったところでしょうか。

期待ギャップ

テレビや新聞、ネットでの意見をみていると、粉飾があるたびに、監査法人の責任が言われるわけで、今回は新日本が一部では叩かれています。

しかし、監査は不正の発を目的としているわけではないので、粉飾を発見できなかったとしても、監査手続きとして出来る限りのことをしていれば、監査法人がなんらかの責任を負う必要はありません

もちろん、結果責任として粉飾を見逃してしまったことの道義上の責任というのはあると思います。

しかし、粉飾を発見できなかったイコール監査法人に落ち度があるというような風潮はなんとかして変えていく必要があると思います。会計士協会には、ある程度費用をかけても、この辺りの広報活動をして欲しいな~なんてと思っています。

この辺り、私なりの「期待ギャップ論」は、書いていくと長くなりそうなので、どこかでまた、まとめて書きたいと思います。