Octopus's Garden

半歩先の生き方・働き方を考えるブログです。

東芝社長の粉飾指示メールはなぜ発覚したのか

http://www.flickr.com/photos/28242329@N00/454678227

photo by Alex Barth

東芝の「不適切会計」という名の粉飾事件ですが、ここのところ情報が小出しにリークされているようです。

今度は社長が幹部に対して、利益のかさ上げを促すメールを出していることがわかったようです。

 

関係者によりますと、第三者委員会によるこれまでの調査で、田中社長は、インフラ工事の事業などで、会社幹部に対し、費用の計上を次の年度に先送りして、利益のかさ上げを促す趣旨のメールを送っていたことが分かりました。

東芝 社長が利益かさ上げ促すメール NHKニュース

誰がリークしたのかは置いておくとして、第三者委員会は、どうやってこの「社長」の「メール」までたどりついたのでしょうか。一般的な不正調査の手続きから考えてみました。

仮説検証アプローチ

一般的に、不正調査は「仮説検証アプローチ」というアプローチをベースに行われます。
仮説検証アプローチとは、調査担当者が、どのような不正が行われたのか、幾つかのシナリオを作り、そのシナリオを一つ一つ検証していくという手法です。

仮説検証アプローチで不正調査人は、必要な「情報の収集」、収集した「情報の分析」、不正の手口に対する「仮説の構築」、及び構築した「仮説の検証」を実施するというサイクルを繰り返すことで実態を解明することになる。

 ~不正調査ガイドライン

刑事ドラマなんかだと、捜査会議の中で、容疑者を複数人ならべ、刑事たちがその容疑者一人一人に対して動機や犯行当時のアリバイを検証し、真犯人を探していくシーンがよく出てきます。不正調査でも、これと同じように、まずは考えられる不正のシナリオをいくつか出して、このシナリオを一つ一つ検証していきます

経営者不正

今回のケースのような会計不正の場合、まず経営者不正が疑われます。

誰が指示を出したかというところを検証する場合、企業のトップ、すなわち社長が指示を出していたという可能性が真っ先に疑われます。

電子メールの検証

不正調査では、電子メールの検証というのが広く行われています。
検証手続きは、ごく単純です。不正に関与している可能性が高い人物の電子メールデータをコピーし、コピーしたデータに対して、特定のキーワードで全文検索します。ここでいう特定のキーワードは、不正をほのめかすようなキーワードの他、不正が行われた場所や関係者、製品名などが選ばれます。
オリンパスの調査報告書を読むと、「ジャイラス」や「のれん」、「減損」などのキーワードで検索を行っていることが書かれています。

消せない証拠

また、不正を行っている自覚がある人は、不正の証拠を消そうとするものです。しかし、メールの場合は、送信者と受信者がいて、そのどちらにもデータが残ります。片方が消したとしても、もう一方が残っていることもあり、電子メールというのは、証拠が残りやすいようです。

深く業務に関連のある不正行為については、いくら当事者が注意深くメールの送信に気をつけても、他者から送られる受信メールの内容まで完全にコントロールすることは難しく、なんらかの痕跡が残ってしまうことがあります。

 ~企業不正の調査実務

まとめ

第三者委員は、経営者不正が行われているという仮説を立て、社長を含む企業幹部の電子メールを分析した結果、このようなメールを見つけたのだと考えられます。