Octopus's Garden

半歩先の生き方・働き方を考えるブログです。

日本企業の監査報酬低過ぎ問題②~では、職員の給料はどうか?~

http://www.flickr.com/photos/81925947@N00/2447500856http://www.takurin.com/entry/2015/08/03/090724

photo by roncaglia

昨日は、日本の監査法人の監査報酬が他の先進国のそれよりだいぶ少ないですよって話を書きましたが、

www.takurin.com

では、監査法人で働く職員の給料はどうか、調べてみました。

就職ランキング常連のBig4

海外では、日本の大手監査法人とそれぞれ提携関係にあるBig4のブランドを持つ会計事務所が大学生の就職先として大変人気で、Big4は常に就職ランキングで上位を占めています。

cpa-net.jp

Big4の年収

そのため、Big4へ就職方法をまとめた本やサイトがたくさんあります。

そんなサイトの一つに、Big4の典型的な年収を職位ごとにまとめた表が掲載されていました。

f:id:takkuya84:20150803123937p:plain

出典:The Big Four Firms: Jobs, Starting PwC Salary and Internships Guide

他のサイトでも、多少の差はありましたが、大体このぐらいの水準で書かれていました。

Associateが、日本で言うところのスタッフ、Senior Associateがシニアスタッフに相当する職位になります。

そして、日本の監査法人の給与水準はこんな感じです。

f:id:takkuya84:20150804120230j:plain

出典:監査法人職員の年収 - Octopus's Garden

Managerくらいまでは、ランクごとの給与水準は日本とそれほど変わりませんね*1

ところが、アメリカは、Senior Manager、Partnerくらいになると、年収が跳ね上がります。特にPartnerは280K(≒33百万円)スタートです。日本の監査法人のパートナーの給料は1,200万円くらいからと言われているので、3倍近くの差があることになります。

若いうちは、日本のBig4もアメリカのBig4もそれほど給料は変わらないようですが、ランクが上になるにつれ、差が出てくるようですね。

年功序列、終身雇用が社会に根付いている日本と、アップorアウトのアメリカでは、競争の厳しさも違いますし、能力のある人はすぐに上に上がるし、待遇にも差がついてくるんでしょうね。

人件費単価は同じ、でも売上が少なければ…

ということで、収入面である監査報酬については、日米で大きな差がありますが、費用面を見る、作業者であるスタッフ層(Associate,Senior Associate)の人件費の単価はそれほど差が無いことがわかりました。

同規模のクライアントでも、もらえる報酬が少なく、単価は変わらないとなると、日本の監査法人は、アメリカよりも少ない工数で監査を行わなければならない状況にあると言えます*2

こういう環境下であれば、日本の監査の品質がアメリカのそれより低いのは当然なのかもしれませんね。

ZAITEN 2015年9月 [雑誌] 雑誌 ? 2015/8/1

ZAITEN 2015年9月 [雑誌] 雑誌 ? 2015/8/1

 

 

 

 

*1:現在の為替レートだと、米国のほうがやや上ですが、それほど差はないかと

*2:もちろん、経営者であるパートナーの取り分が日本より大きいというのもありますが、パートナーは従業員全体から見ればごく少数なので、人件費全体に占める割合は大きくないと思われます