Octopus's Garden

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格安SIMがドコモより安くなるカラクリ

 

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photo by flickingerbrad 

最近、オークションで買ったシムフリーiPad airDMM mobileの格安SIMをさして使っています。

高速のLTE回線を格安で使えるのですごくいいです。

DMMモバイルの料金体系は、毎月の使用するデータ量に応じた月額制になっています。
料金テーブルはこんな感じです。
毎日動画を見るとかじゃなければ月1,270円の5GBのプランで充分です。ドコモで契約すると、月6,000円くらい掛かるので、これはかなりお得です。
最近データ通信量があまり気味なので、もう一段下げて月850円の3GBのプランにしようかななんてことも考え中です。
通信品質の方ですが、今のところ特に問題なく使えていて、ドコモで契約しているiPhoneと遜色ない感じです。
それも当然といえば当然で、DMM-mobileはドコモの回線を使っているんですよね

いま話題のMVNOとは

DMM-mobileのように、大手通信事業者の通信回線を使って、通信サービスを提供する会社をMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれ、最近、多くの会社が参入しています。
MVNOは、Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略。何やら難しそうですが、携帯電話などの無線通信インフラ(ケータイやスマホに電波を送るための基盤のこと)を他社から借り受けてサービスを提供する事業者のことなんです。2001年秋に日本で初めてのMVNOが登場して以来、今ではたくさんの事業者がMVNOとして、いろんなサービスを提供しているんです。
MVNOは、他にもビックカメラが出しているビックシムや、イオンが展開するイオンシムなどが有名ですが、ネットで検索するとその他にもたくさんの業者がこの分野に参入していることがわかります。
MVNOの通信サービスは、ドコモ、ソフトバンクauといった携帯キャリアとくらべてかなり割安の料金で利用できるのが特色です。
今日は、MVNOが通信キャリアよりも安く通信サービスを提供している「カラクリ」について考えてみました。

MVNOに関する2つの疑問

なぜMVNOは安いのか?

同じドコモの回線を使っているのに、MVNOの方が安く通信サービスを提供できるのはなぜでしょうか?
ドコモやauなどのキャリアの契約では、
キャリア→消費者
という契約ですが、
MVNOは、
キャリア→MVNO→消費者
という契約になっています。
直接ドコモが消費者にサービスを提供するのと、ドコモがMVNOに回線を貸し出して、MVNOから消費者にサービスを提供するのとでは、間にMVNOが入らない分、前者の方が安くできるような気がします。

なぜMVNOはこれほど増えたのか?

また、通信事業では、「大が小を食う」統合が進み、大手3社の時代になったにも関わらず、最近になってMVNOがこれほど増えたのはどうしてでしょうか?
大手がこれだけの規模を展開している中、新規参入は容易じゃないなじゃないかと言う気がします。

4つのキーワード

この2つの疑問を解消するためには、固定費、変動費、貢献利益、損益分岐点売上量という4つの概念を理解する必要があります。

固定費、変動費、貢献利益、損益分岐点売上量

まずは、固定費と変動費について解説します。「こんなの知ってるよ」という人は、ここは飛ばして下さい。
会計上の費用は大きく分けるとこの変動費、固定費のどちらかに分類することができます。
偉い人が書いた本にはこんな風に書かれています。

固定費
営業量の増減とは無関係に、総額において一定期間変化せずに発生する原価を固定費という
岡本清「原価計算」P48
変動費
営業量の増減に応じて、総下句において比例的に増減する原価を変動費という。
岡本清「原価計算」P48
もっと噛み砕いていうと、売上に比例して増える費用が変動費で、売上に関係なく常に一定額発生するのが固定費す。
貢献利益 
そして、貢献利益とは、単位あたりの売上から単位あたりの変動費を引いた額を言います。つまり、製品やサービス1単位あたりの粗利ですね。
損益分岐点売上量
そして、固定費を貢献利益で割ると、赤字にならないために最低限必要な売上量が分かります。これを損益分岐点売上量といいます。

通信キャリアの固定費、変動費

通信キャリアの固定費
通信キャリアは、全国各地に通信基地を作らなければならないので、設備投資をたくさんします。
また、新規ユーザーに端末を無料でプレゼントしてあげたり、広告にもお金がかかる。
全国にある販売店の家賃や人件費もすごい額になります。
そのため、全体の費用に占める固定費の割合が非常に高くなります。
通信キャリアの変動費
一方で、自前の設備で通信サービスを提供しているので、ユーザーが通信を使うに応じて発生する費用というのはすごく少なくてすみます。つまり、全体の費用に占める変動費の割合は少なくてすみます。
固定費の大きい事業では、損益分岐点売上高も大きくなるので、ある程度の売上を確保できなけらば赤字となってしまいます。そのため、このような事業では、事業を大規模に展開できる、資本力のある大企業でなければいけません。

 MVNOの固定費、変動費

MVNOは、通信キャリアとは逆に、通信のための設備を自前で抱えないため、固定費はほとんどかかりません。つまり、全体の費用に占める固定費の割合は低くなります。
一方で、ユーザーが使った通信量に応じて、キャリアに利用料金を支払わなければならないため、売上高に占める変動費の割合は高くなります
固定費が低い事業では、損益分岐点売上高は低くなりますので、固定費の高い事業に比べて売上の規模は必要となりません。そのため、比較的小規模に事業を行うことがでっきます。
ただし、固定費がほとんどかかっていないため、ユーザーから受け取る金額がキャリアに支払う金額を越えてさえいれば、利益が出やすいのです。ユーザーが増えても大きく儲けることはできないが、確実に利益を出しやすいビジネスモデルです。

キャリアとMVNOの共存関係 

キャリアの立場からすると、変動費が少ないため、販売単価が一般のユーザよりも低い価格になったとしても、大量に使ってくれるユーザがいれば、その分、収益を上積みすることができます。
そのため、キャリアからすると、一定量の通信量を使ってくれるMVNOの存在は、キャリアからすると「上客」なのです
一方、MVNOは、そもそも固定費がそれほどかかっていないため、単位あたりの粗利は少なくても固定費以上の貢献利益を稼ぐのは比較的容易です
そのため、キャリアに支払う価格に上乗せする利益は少なくてよく、 通信キャリアに比べて割安な料金体系でサービスを提供することができるわけです。

MVNO乱立の背景

また、MVNO乱立の背景も、固定費・変動費の関係から説明することができます。
自前で設備をもち、多額の固定費が掛かる通信キャリアに比べ、固定費が少なく済むMVNOは、通信キャリアのように大規模展開しなくとも利益を確保することができます
そのため、通信キャリアに比べて資本力の弱い会社が参入することができ、現在のようにMVNO乱立の時代になったのです。

まとめ

ということで、MVNOの通信料金が安いのは、通信品質が劣るわけではなくて、携帯キャリアとビジネスモデル、費用構造が違うからということがわかりました。
これで安心してMVNOの安い通信料金を利用できますね。

お知らせ

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