Octopus's Garden

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東芝不正会計 底なしの闇

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photo by Pedro Vezini

昨年、不正会計で世間を騒がせた東芝ですが、今年3月の決算では、最終赤字、過去最大の7100億円の見込みだそうですね。

東芝の最終赤字 過去最大の7100億円に拡大見通し NHKニュースwww3.nhk.or.jp

ちょうどこのニュースが出る直前くらいに、「東芝不正会計 底なしの闇」という本を読みました。
 
この本は、毎日新聞の経済担当の記者が、東芝の不正会計を追った取材記録です。
 
不正の発覚*1から2015年の年末までの東芝やその周辺*2の動きが非常にコンパクトにまとまっています。
 
報道されている以上の、新しい情報は特にありませんが、一つ一つについて、筆者独自の視点での洞察がされていて、それがなかなか鋭いです。
 
筆者は、不正発覚後にリリースされた、第三者委員会報告を読んで、「この報告書には、本質的に大事なことについて全く触れられていない」ことに気づき、発想を転換させて「むしろ、報告書に載っていないところに真相ががあるんじゃないか?」
と考えます。
そして、不正会計になんらかの関わりがあるはずなのに、報告書に書かれていない、
  1. 西田(社長)、佐々木両氏の激しい対立
  2. ウェスチングハウスの経営問題
  3. 監査法人の責任問題
こそが重要な問題と考え、これらの問題について、事実を積み重ねて考察を繰り広げます。
 
筆者は、専門家ではないので、会計や監査の細かい話になると、誤っている部分もありますが、全体的に理路整然と論理が展開され納得感のある考察です。
 
東芝の件について興味を持って、それなりに事件の経緯を追っていましたが、こうして事件の経過や事件の背景をまとめたものを読むことで、複雑に絡み合った事件の本質に一歩近づけた気がします。
 
ただ、筆者が言うようにタイトルにもある「底なしの闇」は、いまだに解明されていません。
 
東芝再建のためには、この「底なしの闇」の正体を解明する必要があるかと思います。
 
本日の記者会見で、東芝の室町社長は、
今年度なんとしてもうみを出し切って、来年度、業績をV字回復させたい
と言ったそうですが、先に挙げた3つの疑問のうち、1と2についてはいまだに解決していないと思います。
これらについてはっきりさせない状態で、果たして「ウミを出しきった」と言えるでしょうか。

 

 

 

東芝 不正会計 底なしの闇

東芝 不正会計 底なしの闇

 

 

 

 

 

*1:当初は不適切会計などと表現していました

*2:証券市場や金融庁監査法人