Octopus's Garden

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マイナス金利と債券と会計

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photo by Gamma Man

昨日、報道ステーションをつけたら、民主党の議員と日銀の黒田総裁がやりあっていました。

満期時には、100円で償還される国債を105円とか106円で日銀が買い入れている*1

民主議員の主張は、国債が償還された時には、買い入れ額と額面の差額は実質的に損失になるのではないか?この含み損とも言える金額を公表すべきでないのか?というものでした。
これに対しして、黒田総裁は「観念的な含み損というものを公表する考えはない」と返答していました。

企業会計では、額面以上の金額で購入した、満期まで保有する債権について、額面と取得金額との差額を損失と捉えるという考え方はありません。

満期保有目的の債権については、額面と取得金額の差は、利息の調整額という考えられているからです。

額面100円、満期5年の債権を105円で買った場合、額面の100円と取得金額の105円の差額は満期までの期間、利息の調整額として会計処理します。

つまり、差額の5円を5年間、利息のマイナスとして会計処理して、債権の帳簿価額をその分減らしていくことで、償還時には、債権の帳簿価額は100円となります。

ただ、ここで問題なのは、債権から得られる利息の総額と償還金額の合計が、債権の取得価額より少ない場合です。

この場合、先に書いた、利息のマイナスが債権から得る利息よりも多くなる。つまり、毎期損失が生じることになるわけです。
企業会計の考え方として、「予想される損失はより早く計上する、あるいは開示する」という考え方があります。

そう考えると、このケースでは、償還時に損失が生じることが確定しているので、取得時に損失を計上しないまでも、通常とは異なる会計処理、あるいは開示が必要になりそうですね。

通常、取得価額より償還金額が少なくなるというような不合理な取引は行いませんので、こういうケースが問題になることはないのですが、マイナス金利の環境下では、こういったケースについてどう会計処理、あるいは開示するのか?するのか?について考えなければならないですね。


マイナス金利

マイナス金利




*1:ここで言いたいのは、105円とかの金額ではなくて、額面以上の金額で買い入れているということ