Octopus's Garden

半歩先の生き方・働き方を考えるブログです。

山一證券 沈みゆく船に最後まで残った者たちの話

映画「タイタニック」の終盤、沈みかけていく船の上で、演奏隊が演奏を続けるシーンは感動的でした。

最近読んだ、ドキュメント小説「しんがり」は破綻が決まり、会社をたたんでいく山一証券に最後まで残り続けた者たちの話でした。
創業100年、かつて、日本の証券会社業界で首位の座についていたこともあった山一證券は、2600億円超の簿外債務が発覚したことを契機に突如自主廃業を決めました。

会社が経営破綻したと言っても、JALのように会社更生法を適用し、再建する企業もあります。しかし、山一の場合は大蔵省から自主廃業を求められたことなどから、会社再生を諦め、廃業する道を選びました。

会社が破綻しても、その日にすべての活動が停止するわけではなく、会社の債務を整理し、債権者たちに返せるものを変換する「清算業務」とよばれる業務が残っています。

山一証券の場合は、これに加えて、破綻の原因となった「簿外債務」の正体と原因を調査する調査業務が残されていました。

「ヒトの山一」と言われていた山一証券の従業員の多くは、同業の証券会社を中心に、他者に転職していきました。

本書では、そんな中で、「しんがり」として最後の最後まで会社に残り、清算業務と不正の調査業務を続けた人たちにスポットを当てています。

山一の場合、再生を前提にしているわけではなく、すでに会社がなくなることが決定していたため、不正の調査を行ったところで、再発防止策や会社の立て直しに役立つわけではありません。

それでも、「真相が知りたい」という強い気持ちの元、調査業務を実施します。

登場人物は中年のおじさんという、「下町ロケット」のような男臭さを感じるストーリーですが、最後の最後まで調査業務を続ける男たちの熱意には心を動かされます。

ちなみに、熱い男たちが作った、山一證券調査報告書は、調査委員会を主導したの弁護士のhpからいまでもダウンロードできます。


この話、ドラマにしたらかなり面白いんじゃない?と思ったんですが、すでにドラマ化されてるようですね。機会があれば見てみたいです。