Octopus's Garden

半歩先の生き方・働き方を考えるブログです。

現金を利用できないお店について考えてみた

Atos - What-would-life-be-like-without-money

今日のネタはWSJのこの記事
メリーランド州ボルティモアのパークカフェ&コーヒーバーでは、わずか3カ月で5回も強盗被害に遭った。これを受けてオーナーのデービッド・ハート氏は、地元客相手の小さなコーヒー店としては数年前であれば過激に見えた措置に踏み切った。現金の受け取りを一切やめたのだ。ハート氏にとっては捨て身の決断だったが、意外なことに売り上げは落ちなかった。
 
5回も銀行強盗にあったというカフェが、現金の取り扱いを一切やめたという記事。クレジットカード大国のアメリカだから出来たという意見もあるかもしれませんが、日本でも同じことができないかというと、そうではないと思います。
 

 

キャッシュレスのメリット

まずは、キャッシュレスにするメリットから考えてみましょう。
 

強盗盗難のリスク

現金がないということは、強盗盗難に入られても、取られるものがないということになります。
当然、現金を取り扱っていないところに入る強盗はいないでしょうから、お金だけではなく、従業員の身を守ることにもなりますね。

金管理から解放される

店舗に現金を行わないということは、煩わしい現金の管理から解放されます。
釣り銭を準備したり、現金を帳簿残高と合わせたり、レジの売上金額を数えるのも、金額が大きくなってくると、けっこう大変です。

レジ業務の効率化

キャッシュレスによる、レジ業務の効率化も大きなメリットの一つです。
小売店の通常のオペレーションは、「お金を受け取って、レジに打ち込んで、お釣りを渡す。」です。一つ一つの動作は数秒ですが、接客するお客さんが増えると、バカにならない時間です。
クレジットカードのみの決済にして、少額はサインレスにしてしまえば、金額確認してもらって、カードを通すだけです。
一回あたり10秒節約できれば、一日300人来店するとすると、3000秒、つまり50分もの節約になります。
 

考慮すべき事項

メリットもあるものの、考慮しなくてはならないこともいくつかあります。

客の減少

現金が使えないとなると、クレジットカードないしデビットカードを持っていない人は買い物に来なくなります。
ただ、今時、クレジットカードを持っていない大人ってどれほどいるでしょうか?
統計を見てみると、日本でのクレジットカードの保有率は9割弱です。年代別にみると、20代がやや低いものの、保有率に年代的な偏りはあまりない様子です。
20代が低いのは、学生も含まれているからでしょう。
クレジットカードを持てない人も中にはいるかもしれませんが、そういう人はデビットカードを持てばいいです。
デビットカードは銀行口座さえあれば誰でも作れますので。

決済手数料

クレジットカードを導入するにあたって、1番のハードルとなるのが決済手数料です。
一昔前であれば、カード会社によっては、10%近くの決済手数料がかかっていたという話を聞いたことがありますが、今はせいぜい5%程度でしょう。
squareというサービスを使うと、5,000円ほどの読み取り端末とスマートホンがあれば導入できて、手数料は一律3.25%で導入できてしまいます。
決済手数料に関しては、導入のメリットと比較して割高なのかどうなのかというのが検討ポイントとなりますが、
私見では、作業効率の向上やリスクの低減の効果を考えると、コストに見合った効果は得られるはずです。
しかも、今なら導入すると補助金も出るそうです。

運転資金の増加

クレジットカードを導入すると、決済手数料のような目に見えるコストのほかに、目に見えないコストも発生します。
クレジットカード決済にすると、現金での回収が平均して1ヶ月半後ろになるので、その分、運転資金として用意すべき資金が余分に必要となります。
単純に考えると、一月半分の売上と同額を借入なりで調達する必要がありますから、その分の利息もキャッシュレスによる追加コストということになります。

裏帳簿が作れなくなる

売り上げを操作することができる。具体的にいうと、飲食店なんかだと、本当は売り上げがあるのに、帳簿に記入しない、なんてことをやってるところが少なくないようです。
売上を減らすことで、納める税金を減らすことができますからね。
現金商売だと、比較的簡単に裏帳簿的な操作が出来るのところ*1、クレジットカードを使うと、売上の履歴が全て残るので、そういった操作は出来なくなります。
そもそも脱税は犯罪なので、これはデメリットというべきではないかもしれませんね

キャッシュレスに向いていそうな業種

ここまでの、議論を踏まえて、キャッシュレスに向いていそうな業種を考えてみます。
まずは、クレジットカード保有率が低い若者向けのお店は向いていません。最低限の要件として、社会人以上をターゲットにしている商売に限られます。
また、客単価が低くて、客数が多い業態は効果が高いです。
そう考えると、最初に紹介した記事のように、カフェはキャッシュレスに向いているというのがわかります。
カフェ以外だと、オフィス街の移動販売の弁当屋なんかもかなり向いていると思います。
客のほとんどはクレジットカードを持ってるだろうし、単価は1000円未満なので、現金商売だと、釣り銭を相当準備する必要がある(しかも路上で商売しているので、釣り銭が切れても簡単には補充できません)。
かつ、短時間で大量の人数を裁く必要があり、一人当たりにかける時間を減らすことで売り上げアップも見込まれます。
 
 
 

*1:国税に突かれたら簡単にバレますし、脱税は犯罪です