Octopus's Garden

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会計士試験が不人気で、中小企業診断士試験が人気の理由

このブログでも何度か書いていますが、2009年以降会計士試験の受験者数は下がり続けています。

 

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 一方、同じ士業である、中小企業診断士の受験者数は増加を続けていて、最近は増加していないものの、2009年に会計士試験の受験者数を上回って以降、受験者数はほぼ横ばいで推移しています。

 

公認会計士試験受験者数と中小企業診断士受験者数推移

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 2004年から、2010年にかけては会計士、診断士ともに増加を続けていますが、会計士の方は、2011年以降右肩下がりで下がっています。一方で診断士は高い水準で推移し、2012年には受験者数は逆転しています。

 同じ士業で国家試験である両者の間に、ここ数年でこれだけの差がついてしまったのはなぜでしょうか?

受験社層の違い

   こちらは、会計士試験と中小企業診断士試験の受験者の職業別内訳です。

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 公認会計士試験で受験者の7割を占めている学生と無職は、中小企業診断士では、15%にも満たない割合です。逆に、診断士受験者の7割を占める会社員は、公認会計士試験では、2割に満たない割合となっています。

年代別内訳

 また、両試験の受験者の年代別内訳をみても、先ほどと同じような結果が出ました。

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公認会計士試験の受験者の大半は20代で、ついで30代40代と年齢が上がるに連れて受験者は減っていきます。

一方で、診断士は30代40代と、ビジネスの第一線で活躍しているであろう年代が一番のボリュームゾーンとなっています。

会計士試験の合格者の大半は監査法人に入社します。監査法人の新入社員は、他の業種の新卒の給与水準と比べると比較的高い水準にありますが、飛び抜けて高い給料がもらえるわけではありません。

そのため、学生のうちに合格して監査法人に入社すると、同世代の平均よりも高い収入を得られますが、社会人を数年経験した方が、会計士試験に合格して監査法人に就職すると収入が下がるケースが多いのです。

そのため、20代の学生と比較して30代の会社員が会計士試験に合格して得られる「うまめ」は少ないのです。

会計士試験が不人気で、中小企業診断士が人気の理由

上記のデータから、両試験でこれほどの差ができてしまった理由を考えてみましょう。

会計士試験のメインの受験者は、大学生と大学を卒業して間もない若者達です。

会計士試験が、監査法人という特殊な業界への就職試験の一つと化してきている中、数年前は合格しても監査法人へ就職できないという事象が発生した事、監査法人の業績悪化による職員の待遇悪化などにより、学生が試験に対して魅力を感じなくなってきています。そのことが、会計士試験の受験者数が減少した大きな要因だと考えられます。

一方で、診断士試験のメインの受験者はビジネスの第一線で活躍する会社員たちです。受験者層はすでに安定した仕事をもっていて、試験を受け続けることによるリスクがなく(仕事をやめてまで試験に打ち込む必要がないため)、自らのスキルの向上や、キャリアのステップアップのために診断士の受験をします。

そのため、受験者数が減る要因が無く、診断士の需要増加という追い風もあり高い水準で推移しているのだたと考えられます。

 

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